ストーリー5 留学が教えてくれたこと そして

留学が教えてくれたこと

話はちょっとさかのぼりますが、大学生時代。
留学した後、それまでに抱えていたコンプレックスはほとんどなくなっていました。

留学するまで、私は自分が日本人であることに恥ずかしさを感じていました。
いわゆる、アジア人コンプレックスもありましたし、
先の戦争で日本は悪の枢軸国だったということも負い目でした。

いわゆる「自虐史観(※あくまでもカッコです)」による
平和教育が悪かったとは決して思っていませんが、
自分にとって歴史教育が、日本はどうしようもない国だなという気持ちの
一因になっていたことは確かです。

けれども不思議なことに、私が外国で出会った人たちは、
みんな日本のことが大好きでした。
そして私が日本人だというだけで、みんな親切にしてくれました。

もちろんアジア人蔑視は存在しており、
ヨーロッパの田舎では冷たい目で見られることもありましたが、
それはむしろ無知から来るものであることがよくわかりました。

今でこそ日本の良さを伝えるテレビ番組や記事が多くなりましたが、
当時はそういう情報があまりなかったのです。

留学して、「日本人でよかった!」と思うようになると同時に、
世界にはいろんな考え方の人たちがいることがわかりました。

悲惨な戦争をくぐりぬけ、自分の夢を生き抜いている人たちや、
周りの目なんて気にせず、障がいがあっても自分らしく生きている人たち。

どんなに小さな家に住んでいても、
幸せそうに家族みんなで暮らしている人たちがたくさんいました。

日本にいたら出会えなかったような価値観を持った人たち。
その人たちとの出会いのおかげで、自分の心に変化が起きました。

その人たちとの出会いのおかげで、
今まで自分が悩んでいたことが小さく思えるようになりました。

「自分は自分のままでいいんだ!」と。

そして

留学で完全に価値観が変わった影響で、
その後、社会のレールから外れ、正社員という安定職を捨て、
不安定な会社やNPOで働く日々が続きました。

環境運動に携わったり、脱原発運動に携わったり、
沖縄の辺野古の基地まで行ったり。

福島での原発事故が起きる前には、
原発から脱するための小冊子を製作し、
2万部販売したこともあります。

いわば、反対運動に積極的に参加していたわけです。

しかし、反対して結局は二極化し、
分裂することの限界を思い知りました。

そこで、ちがうアプローチを模索するようになりました。
そこで、解決策としての地域づくりや社会起業などに携わり、
そこでたくさんのことを学ばせていただきました。

地域の問題や社会問題の解決、
対話やファシリテーションを学ぶ中で、教育に関心が向くようになってきました。

そして今、私が今している仕事は、英語のlearning designです。

学校で教えている方法は、それが有効な人もいるけれど、
全員にとって有効な方法ではないのかもしれません。

学校の勉強がうまくいかず、
成績が悪いことに心を痛めている生徒さんやそのご両親を見ていると、
心が痛くなります。

学校の勉強や独学でうまくいかない人たちに、
その人なりの学び方をデザインする、
そのお手伝いをすることが私の仕事です。

その意味で、私はteacherではありません。

英語そのものを教えたいんじゃないんです。
本当に教えたいのは、言葉には心があるということです。

英語の学習に行き詰っているなら、
そこに心を感じ取っていないからかもしれません。

そしてもうひとつ、手掛けていることがあります。

それは、誰もが自分らしくいられるように、
講師を呼んでの対話のワークショップの開催です。

今までいろんな仕事をしてきて、
一番大事なのは教育だと思い至りました。

世の中で起きているいろんな社会問題も、
結局は根っこはみんな、いろんな人の感情のもつれあいから
起きているような気がしているのです。

解決にはいろんなアプローチがありますが、
私は人の感情、そして教育に焦点を当てたいと考えています。

誰もが自分らしくいられ、自分の強みを生かし、
自分を生かしきることができるような社会が実現したら、
この世の中は本当の意味で平和になるんじゃないだろうかと。

いささか話が飛躍しているようですが、
私の中では社会問題も英語も教育も全部つながっています。

その意味で、この「なみのリズム」プロジェクトは、
まだはじめのステップに過ぎないのかもしれません。

今の私のミッションは、
リズムで英語を学ぶことが当たり前になること。

そして、誰もが自分自身でいられるような、
当たり前の社会の実現に貢献すること。

私の仕事はまだまだ発展途上です。

これからどんなふうに自分のプロジェクトが発展していくのか、
自分自身でも楽しみです。

みなさんの英語が上達し、みなさんの夢がかないますように。
そして、誰もが自分自身でいられますように。

「なみのリズム」をよろしくお願いいたします。

Live out your dream,

なみのリズム 上條麻子