瞬間英作文は英会話に効果があるのか?

person01

こんにちは 🙂  「なみのリズム」のアサコです。

「英語が話せるようになりたい!」というのは、誰にとっても憧れの夢ですよね。

そんな夢をかなえる学習法として、瞬間英作文が有名です。

けれども、果たして、瞬間英作文は、誰にとっても効果がある学習法なのでしょうか?

「どうもうまくいかない」とか、「やり方が面倒だ」と感じている人もいるのではないでしょうか。

実は私は、「瞬間英作文では英会話は上達しない」、「効果があったとしてもうすい」と考えているんです。

この記事では、その理由と問題点について掘り下げて説明していきます。

(2016年1月19日:内容がより伝わるように文章を一部修正・追記しました。
同、2月8日:無料レポートのリンクを追加しました。
同、4月26日:例に若干不適切なところがあったので訂正しました。)


目次

1.瞬間英作文とはどんな学習法か?
2.瞬間英作文は成績UPに効果あり、でも英会話には効果がうすい
3.瞬間英作文の限界と問題点
3-1.高度なトレーニングであり、万人向けではない
3-2.日本語と英語の語順で混乱してしまう
3-3.日本語で考える癖がついてしまい、会話に追い付けなくなる
3-4.日本語発想から抜け出せなくなる可能性がある
4.まとめ


 

1.瞬間英作文とはどんな学習法か?

瞬間英作文というのは、中学レベルのやさしい英文を、日本語から素早く英文に訳していく練習法のことを言います。

たとえば、

アサコ先生
私は彼に本をあげました

という日本語を見たら即、

シンさん
I gave him a book.

と、瞬発的に英文を言えるようにするわけですね。

英語を勉強していれば、上記のようなやさしい英文は誰でも簡単に理解できるはず。でも、英文を口でさっと言うというのは意外と大変なもの。英文を読む練習しかしていない場合、口がなかなか回りません。

シンさん
I…gave…ええと…him book. あっ、aをつけ忘れた!

なんて言う風に、つっかえつっかえになってしまいます。

少し考える時間があれば、正しく英文をつくることもできるでしょうが、30秒とか1分もかかっていては、スムーズな会話ができませんよね。

私たちは英文を読んで理解する練習はしているけれど、話す練習をしていない。だから話せない。なので、スムーズに言えるようにトレーニングをしよう!というのが、瞬間英作文の趣旨です。

 

2.瞬間英作文は成績UPに効果あり、でも英会話には効果がうすい

けれども、このトレーニングをすることで英語がすらすら言えるようになり、英会話ができるようになるかというと、そうでもありません。

これは自分の学習経験&指導経験からしてもそうですし、言語学的に考えても、矛盾をはらんでいるからです。

ただ、瞬間英作文が、英語力を上げるために全く効果がないかというと、そういうわけではありません。

瞬間英作文の主な効果としては、文法の構文が身に付く、そして英作文の基礎力が付くということがあげられます。

もしあなたに中学生や高校生の子どもさんがいて、定期テストの文法問題で6割~7割くらいしか取れないようだったら、瞬間英作文のトレーニングを学習に取り入れるといいでしょう。瞬間英作文ができるようになると、基礎的な和文英訳に強くなります。結果として、成績UPにつながります。したがって、学校のテストや和文英訳もしくは英文和訳を必要とする試験に対しては、瞬間英作文が役に立ちます。

また、英会話の入り口にまだ立つことができていない英語学習初者においては、瞬間英作文をやったほうがいい場合があります。

その場合については以下の記事に書いたので、該当する方はご覧ください。

また、定期テストなどで英作文の点数を上げたいという人はこちらの記事をご覧ください。

では、なぜ和文英訳式の瞬間英作文が英会話に効果が薄いのか。その理由について、以下で述べていきます。

 

3.瞬間英作文の限界と問題点

3-1.高度なトレーニングであり、万人向けではない

瞬間英作文は、もともと日本語能力と英語能力の高い人向けの学習法のように思えます。そもそも、もともとは通訳のためのトレーニング法なのです。語学力がそこまで高くない人にとっては、混乱をまねくきっかけになってしまうのではないでしょうか。つまり、万人向けの学習法ではない、というのが私の見解です。

 

3-2.英語と日本語の語順のちがいに混乱してしまう

瞬間英作文は、難易度が上がるにつれて、英訳するための日本語がどんどん長くなっていきます。

そうなった場合、日本語と英語の語順のちがいに混乱する人が多くなり、そういう人にとっては、トレーニングが苦しくなっていきます。

例えば、次の日本語を英語に直そうとした場合、どうなるでしょうか。

アサコ先生
先週のパーティーで会った男性に、今日駅まで出かける途中、たまたま出くわした。

これくらい長い日本語になると、

シンさん
ええと、『先日のパーティー』から始めたらいいのかな?それとも『今日駅まで出かける途中』だろうか。主語はないけど、きっと『私』が主語だよね…。

 

こんなふうに、まごまごしてしまいませんか。これを訳すと、

アサコ先生
Today on my way to the station I happened to meet the man I saw at the party last week.”

となります。でも、これは器用な人でないと、さらっと訳すのは難しいです。

 

英語と日本語の語順のちがいに通じていなければ、日本語を英文に訳すというのはかなり大変な作業なのです。

それでも、この英文を何回も繰り返してなんとか覚えたとします。けれども、理解を伴わない暗記というのは、丸暗記になってしまいます。丸暗記で覚えたものというのは、応用がきかないというのが苦しいところです。全く同じ英文を言う場面に出くわさない限り、使う機会がないからです。

実際には、覚えた英文をアレンジし、その場で自分で考えながら英文を組み立て、会話をしなければならないわけですが、これは丸暗記では歯が立ちません。

私は文法は結構得意なのですが、それでも日本語から英語に訳すというのはつらい作業でした。結局途中で挫折し、うまくしゃべれるようになりませんでした。

 

3-3.日本語と英語のちがいを知らないと、かえって逆効果

瞬間英作文をすることで混乱するのは、語順のちがいだけではありません。

英語と日本語には、語順以外にも根本的なちがいがあるのです。

これを知らない状態で瞬間英作文をやると、日本語発想にとらわれてしまう結果、不自然な英語が身に付いてしまう恐れがあります。

例えば、「私は将来海外に行きたいと思っています」という文を訳すとしましょう。そうすると、次のように訳す人が時々います。以下の文、どこがよくないかわかりますか?

シンさん
I think I want to go abroad in the future.

 

 

 

 

 

 

 

アサコ先生
“I think”が余分なんです。”I want to go abroad in the future.” が自然です。

でも、日本語に「思っています」という訳語があるから、つい”I think”を入れたくなってしまうのですね。

なぜ”I think”を入れたら不自然なないほうが良いのか。

(↑ごめんなさい、訂正です。I think I want…は不自然な表現ではないですが、日本語とちょっとニュアンスが異なります)

日本語は概して、冗長な言語です。日本語では、自分の考えていることを丁寧に表現しようとするときに「~と思います」「~と考えています」とつけ加えますよね。「行くぞ!」と固く決意しているときにも「~と思う」と言ったりします。でも、英語でもし上の文に”I think”をつけると、英語では少し自信がないニュアンスが加わります。「行こうと思ってはいるけど、もしかしたら行かないかも…」という意味合いが出るのです。日本語の「思う」の意味はすでにwantに入っていると考えれば、I thinkはここでは入れなくてOKなんです。

このような言語間の違いが、齟齬を引き起こすんですね(ちなみにこの現象を「母語干渉」と言います)。

瞬間英作文は、日本語を起点にする以上、こうしたことを考慮するだけの力を身に付けることができないのが、その限界でもあります。

もっとわかりやすい例で言えば、「彼を見たよ」を”I watched him.”って言ってしまって意味を間違えてしまうこととかがあげられますね(これだと「彼を見張っていた」という意味になってしまいます)。

英語らしい表現や発想をすでに身に付けている状態であれば、問題にはなりませんが、そうでない場合、瞬間英作文だけに頼ると、上記のように、いかにも日本人的な英文をつくってしまう癖がついてしまう可能性があるのです。

不自然な英語をしゃべると、たとえそれが文法的に正しくても、全く通じない場合があるんです。

ただ機械的に、日本語を英語に訳せるようになればいいというわけではないのですね。

 

3-4.日本語で考える癖がついてしまい、会話に追い付けなくなる

3番目の問題点。それは、瞬間英作文のトレーニングに慣れると、日本語でまず考えてから英語に訳す、という癖がついてしまう恐れがあるということです。でも、いくら瞬間英作文でスピードを鍛えたとしても、日本語で考えると、その分の時間にどうしてもラグが生じてしまいます。

私自身の経験ですが、大学でポーランドに留学していた時、ディスカッションで意見を言えなくて、苦い経験をしたことがあります。なぜ意見を言えなかったかというと、日本語で考えていたからです。

studying

ディスカッションで言いたいことはたくさんありました。でも、日本語で考えてからそれを現地の言葉に訳すということをしようとしていたので、とてもではないですが、間に合いませんでした。自分の意見を言う準備ができたときには、話題はすでに過ぎ去ってしまっていました。

日常会話をこなすくらいの会話スピードは身に付いていたのですが、それでも訳していては、スピードに追い付けなかったんです。

本来、日本語で考えるのではなく、英語で考えて英語で表現することが一番早いのです。

そこで、英語を勉強する際には、手法を変えました。日本語を捨てたんです。

つまり、日本語で考えるのをやめました英語だけで考え、英語だけで英文を組み立てていくようにしたのです。

そうすることで、日本語を考える時間がなくなり、英検1級にも受かるだけのスピーキング能力をつけることができたのです。

日本語から脱出し、なるべく英語だけで考えて英語を話す方法については、この記事の最後に関連リンクを上げているので、ぜひ参考にしてください。

 

4. 英語の発想や表現を学ぶことを優先しよう!

さて、これまで瞬間英作文ではうまくこなすことのできない要素をいろいろとあげてきました。

ただ、私は瞬間英作文を完全に否定しているわけではありません。

最低限必要な文法を身に付けるには有効なトレーニングです。また、このトレーニングをしっかりやることで、学校のテストでいい点が取れるようにもなります。また、通訳のように、丁寧に英語を訳していく必要のある人にとっては必要不可欠なトレーニングだと思います。

私自身、瞬間英作文の恩恵は受けているのです。このトレーニングを一定期間行ったことで、英作文のスピードがかなり上がりましたから。ただ、これで自然な英語を身に付けることはできなかったし、スピーキングの向上につなげることはできませんでした。

瞬間英作文は、万人向けではないということ。瞬間英作文だけが唯一のスピーキング方法ではありません。なので、瞬間英作文でうまくいかない人は、これだけにこだわる必要はない、ということは指摘しておきたいと思います。

アサコ先生
瞬間英作文を提唱している森沢洋介さんは、音読の提唱者でもあります。

 

森沢さんのメソッドにおいては、瞬間英作文と音読はセットになっているはずです。大事なことは、森沢さんは、決して「瞬間英作文だけで話せるようになる」とは言っていないということ。ここを多くの人が勘違いしているのだと思うし、かつての私も勘違いしていました。瞬間英作文は、あくまでも英語をマスターする道のりの中の、ひとつの手段にすぎません。

大事なことは、日本語を見ても自然な英作文をつくれるだけの英語力を持っているということです。森沢さんはおそらく文法も日本語も得意であり、音読や多読で英語の発想や表現力をかなり身に付けていたからこそ、瞬間英作文がスピーキング能力向上に効果的だったのだと思います。

その基盤がない状態で同じことを真似しようとしても、なかなかうまくいかないのは当然かもしれませんね。

 

5.瞬間英作文がNGなら、何をすればいいの?

ここで、瞬間英作文でうまくいかないなら、一体何をしたらいいのかという疑問がわいてくると思います。

まずは、英語を英語で理解できるようになることが必要です。そして、日本語から脱し、心に抱いたイメージを即英語にしていく練習が必要です。

この足掛かりになる方法については、以下の関連記事や無料レポートで紹介しています。ぜひ参考にしてください。

※”He gave me a book.”を日本語訳するだけでは、その意味を本当に理解したとは言えません。この文型の意味を本当に理解するれば、英文をイメージでつかむことができるようになります。
無料レポート「文型の本質を理解し、英文をイメージでとらえる講座①」

※以下の記事では、瞬間英作文をせずにスピーキング能力を上げる方法について書いています。
英会話に絶対おすすめの勉強法3つ~遠回りしてしまった私だから今言えること

※英文を正確に読んでいく練習としてオススメなのが、スラッシュリーディングによる音読です。スラッシュリーディングでは、英語の語順で日本語訳をしていくので、瞬間英作文のような負荷がありません。日本語を頼りにしながらも、英語の語順感覚を身に付けることができる学習法です。こちらを用いてスピーキング練習することもできます。

※瞬間英作文に似て非なるスピーキング練習に、カランメソッドがあります。日本語を介する必要がなく、英語を英語のままとらえる練習になるので、瞬間英作文よりもオススメです。ただし、ある程度の文法力とリスニング力が必要になります。

どんな手順でどんなふうに勉強していけば、英語を英語で理解できるようになるのか。そして、英語を英語のままに話せるようになるのか。これについて解説したガイドブックを現在執筆中です。廉価で提供する予定なので、ぜひサイトをチェックしていてくださいね!発売開始しました♪↓↓

「壁」を破るためのイメージ英語学習ガイドブック

脱日本語訳&英語をイメージでつかむための学習方法を書いています。よかったら手に取ってみてください。

まとめ

  • 瞬間英作文は、万人向けのスピーキング練習法ではない
  • 日本語を捨て、英語だけで考えて英作文をしていく練習が効果的
  • そのためには、英語をたくさんINPUTし、英語の発想や表現をまず学ぶ必要がある
  • そのために有効な学習は、イメージでの英作文、多読学習法、スラッシュリーディングなどがある
  • 瞬間英作文だけで英語が話せるようになるとは思わないようにしよう!

 

もしこの記事があなたのお役に立てたなら、「いいね」や「シェア」して下さい。励みになります。
↓↓↓↓↓