英語は初心者。何から始めたらいい?②

 

リスニング対策として、初心者がまずすべきことは、①英語の音に慣れることと、②英語の語順に慣れることでしたね。

先ほどの記事では、この①英語の音に慣れることを目標として、①正しく単語を読めるようになる ②発音記号とフォニックスを練習する ③やさしい英語を聞く習慣を身に付ける ④簡単な英語を書き取る練習をする(ディクテーション)の4つをご紹介しました。

ここまで学習が完了したら、次の段階の②英語の語順に慣れるに進みます。

 

英語の語順に慣れるということ

次の英文を見てください。

A. Do you like cats?

B. You may know that he actually love cats and keep five cats, he doesn't say this, though.

Aの文はすぐに理解できると思うんですけど、Bの文はちょっと長いですよね。それでも、Bの文はそんなに難しいわけではないので、ゆっくり読み返せば意味は理解できると思います。

読解の時はそれでいいのですが、リスニングになるとこれが厄介です。この文が音声で流れたとき、Aの文は理解できると思うのですが、Bの文は長いために、一度聞いただけではすっと理解できないという状況になりがちです。

初心者の人は、英語を返り読みし、日本語に訳さないと理解ができないという人がほとんどです。例えば、あなたは次のように英文を読んではいないでしょうか。

④You may know that / ③he actually love cats and / ②keep five cats,  / ①he doesn't say this, though.

まず、最後の①から読み始め、「彼はこれを言わないが」とに日本語に訳す。次に②の部分に移り、「5匹の猫を飼っている」と訳す。次に③で同様に「彼は実際には猫が大好きで」、最後に④。「あなたは知っているかもしれない」と訳す。

そして、「ええと、日本語に訳すと、あなたは…彼はこれを言わないが…猫を5匹飼っていて…猫が実際は大好きで…ということを…あなたは知っているかもしれません」とある程度きれいな日本語の語順に直してから、「ああ、なるほど、そういう意味ね!」と理解をするのです。

しかし、少し考えてみればわかると思うのですが、この方法では英文はゆっくりとは読むことはできても、リスニングは絶対にできるようになりません。なぜかというと、リスニングは通常一度しか読まれないので、返り読みは絶対にできないからです。

また、一度最後まで英文を読んでから頭に戻って訳し始める人もいます。つまり、一度"You may know that he actually love cats and keep five cats, he doesn't say this, though."と読んでからまた最初に戻り、「あなたは知っているかもしれない…彼は…」と訳していくのです。

これもダメです。これは二度読みであり、リスニングで言うなら、全く同じ文を2回繰り返してもらわなければ理解できないということになってしまいます。会話では同じことを2回言うことはありませんし、TOEICでもリスニングは一度しか読み上げられません。英文を一度読んで理解できないのであれば、リスニングでも理解はできないのです。

ではどうすればいいのか。それは、頭から読んでいき、戻ることなく英文をかたまりで直読直解できる状態を作っていくことが解決策となります。それを、ここでは「英語の語順に慣れること」と便宜的に定義しています。

 

 英語の直読直解とは?

 

英語の直読直解とは、英語を返り読みすることなく、頭からかたまりごとに理解していくことを指します。それも、日本語訳に頼らず、イメージで理解することが大事です

参考までにですが、私が先ほどの英文を耳から聞いた場合、どんな感じで理解するかをお伝えしますね。

You may know thatと聞こえたら、自分に向かって話がされていることを理解します。次にhe actually love catsと聞こえたら、話題になっている彼と猫が仲良くしている場面を思い浮かべる。keep five catsで猫が彼の周りにわらわらといる場面をイメージする。そして、he doesn't say this, thoughと聞こえたら、彼が口を固く結んでいる場面を想像するとともに、彼って恥ずかしがり屋なのかしら…。と彼の性格を想像したりします。

これは、別に日本語訳をしているわけではありません。英語を聞いたときに、言葉を思い浮かべているのではなく、言葉から想像される絵を思い描いているのです

日本語で小説を読むときのことを思い浮かべてみてください。最初は文字を読んでいるという意識があるかもしれませんが、物語の中に次第に引きこまれていくと、文字を読んでいるという感覚はなくなり、風景がありありと頭の中に映し出されているということはありませんか。イラストもないのに、登場人物の髪形や表情が生き生きと頭の中に映し出され、次第には声の質感までが頭の中で再現されますよね。

学校の授業で、教科書の英文を訳すという作業ばかりしてきた人たちは、とりあえず英文を日本語に訳すことはできても、この「絵を思い浮かべる」ということをおろそかにしていることが多い場合があります。

しかし言葉は本来、情景を伝えるものです。頭の中で状況を思い浮かべることができて初めて、言葉を理解したと言えるのです。日本語の文章であっても、法律の文章はなかなか理解がしにくいものです。これは、頭の中で状況や絵を思い浮かべることができないからですよね。

よく「英語を英語で理解する」と言われますが、英語を読んだり聞いたりした時に、日本語を介すことなく絵で状況を思い浮かべることが英語を英語を理解することだととらえてください。

ちなみに、生徒さんからよく、英語を英語で理解するというのが難しい、なかなかできないという質問を受けます。これが、初級者から中級者、更には上級者に進むためのひとつの壁だと思います。こういう人たちは大抵、英文に触れる機会がとても少なく、練習が足りていないことが原因です。下に練習法をあげますので、ぜひ参考にして練習に励んでください。

 

スラッシュ・リーディングによる音読で力をつける

最初、英文を聞いて頭の中で絵をイメージするという作業をするには時間がかかりますが、最終的にはこれを一瞬でやってのけるようになるまでトレーニングを行います。これを行うのに最適なトレーニングが、スラッシュ・リーディングによる音読です。この方法については別ページで解説していますので、ぜひそちらを参考にして練習を行うようにしてください。

日本語訳は手段であってゴールではない


注意点ですが、スラッシュ・リーディングには日本語に訳す練習があります。しかし、これはあくまでも補助のための練習です。日本語に訳すことがゴールなのではなく、日本語の助けを借りて、最終的には日本語訳なしで英文を絵として思い浮かべられるようになるまで練習をしましょう

 

日本語訳モードと、英語訳モードの2つを使い分ける

時折、リスニングをしていても日本語に訳してしまう、という人がいます。これは、英文を見たら即日本語に訳す、という習慣が身に付いてしまっていることが原因だと考えられます。こうなってしまうと理解スピードが落ちてしまう上に、直読直解を身に付けることが難しくなってしまうことがあります。

こうした事態を避けるために、自分の中にあらかじめ、日本語に訳すモードと、日本語に訳さないモードを作っておきましょう。必要があるときだけ日本語に訳す。そして、必要のないときは日本語を思い浮かべず、英語だけを頭の中に響かせるようにしておくのです。

最初のうちは、それでも日本語が出てきてしまうかもしれません。しかし、それはそれでかまいません。次第に、日本語は引き出しにしまっていくような感覚で、英語だけを自分の頭の中で満たすような感覚にしていくのです。

これを読んでいる人の中には、英会話ができるようになりたい、と思っている人もいるでしょう。スピーキングにおいても、日本語で考えることはスムーズな英会話の妨げになります。初心者のうちから英語だけの回路をしっかりと作っておくようにしましょう。

 

 

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