「多少長い英文でも、ゆっくりなら読めるんだけど…」、「時間が足りなくて、制限時間以内に問題が解けない」。こんな人は多いと思います。
文法も勉強した、語彙もイディオムも覚えた。知識はある。だけど、TOEICでもセンター試験でも、問題を全部解くには、時間が足りない。リスニングでも、3回くらい聞けば理解できるのに、1回では聞き取れない。
英文をスピーディーに理解することができたら、どんなにいいことか…!
そんなあなたの悩みを解消する学習法をお伝えしますね。
「速く読む」とはどういうことか?
まず、そもそも、速く読むとはどういうことなのか、というところから確認していきましょう。
まずは日本語で考えてみてください。先ほどの文を引用しますね。
「文法も勉強した、語彙もイディオムも覚えた。知識はある。だけど、TOEICでもセンター試験でも、問題を全部解くには、時間が足りない。リスニングでも、3回くらい聞けば理解できるのに、1回では聞き取れない。」
普通の日本人なら次のように読んでいると思います。
「文法も勉強した、/ 語彙もイディオムも覚えた。/ 知識はある。/ だけど、/ TOEICでもセンター試験でも、/ 問題を全部解くには、/ 時間が足りない。/ リスニングでも、/ 3回くらい聞けば/ 理解できるのに、/ 1回では聞き取れない。」
ほとんどの人が上のように、スラッシュ毎のかたまり単位で意味を理解して日本語を読んでいるはずです。
でも小さな子どもがこれを読んだら、「文法も(ぶんぽう?も)/ 勉強した、(べんきょう?した)/ 語彙も(なんて読むのかな?) /イディオムも(イディオムってなに?)/ 覚えた。(なんて読むのかな?)」
というふうになりますよね。文字を覚えたての子どもだったら、一文字一文字読んでいくことになるでしょう。そうすると、読むのはもっともっと遅くなります。私たちも、英語学習で同じようなプロセスをたどっているんです。
さて、上の日本語の文章をもっと早く読むにはどうしたらいいのでしょうか?試しに、自分ができる限りのスピードで読んでみてください。↑
「文法も勉強した、語彙もイディオムも覚えた。/ 知識はある。/ だけど、TOEICでもセンター試験でも、/ 問題を全部解くには、時間が足りない。/ リスニングでも、3回くらい聞けば理解できるのに、/ 1回では聞き取れない。」
こんな風に、一度で理解する語数を増やしたのではないでしょうか。そう、一度に視野に入れる単語の数を増やすんです。そうしたら速く読めますよね。
ちなみに、私はできませんが、速読学習法の中には、2行一緒に読んで行ったりする方法もあるようです。つまり、視野を広くとって、視点を素早く動かしながら読んでいくと速く読むことができるわけです。
英語でも同じことをしたらいいわけですね。では、これを英語にどう応用したらいいのか。速読に必要な3つのポイントをお伝えしていきます。
①まずは視野を広くして読んでみよう!
では、次の英文を使って速く読む練習をしていってみましょう。
以下の英文では、視野を少し広めにとる形でスラッシュを引いています。これくらいの単位で読めると、随分と速く英文が読めるようになります。ぜひチャレンジしてみてください。
Mr. Taylor,
Thank you very much for your e-mail. // I moved here last week / and I’m getting used to living here.// I feel mostly comfortable, / but I have just one problem.//
My neighbor next to my flat /plays the piano sometimes. // It’s OK for me /if she does it during the day, / but she practices it /even in the middle of night. //The sound makes my little baby wake up. //So, I’d like to ask you /what I should do to deal with it. // Should I ask her directly /not to play the piano during the night / or are you able to support me /by speaking to my neighbor? //
さて、実際にどう読んでいくかを解説していきますね。
まず、最初のスラッシュから次のスラッシュの間の、フレーズの真ん中あたりに視点を合わせます。
Thank you very much for your e-mail. // I moved
↑ここのあたりに視点を合わせる。
そして、フレーズ全体を視野におさめるようにします。
ここで重要なアドバイスですが、シャーペンもしくは鉛筆を使って読んでいくと速読がしやすくなります。指でもOKです。読むときに、シャーペンを、視点を合わせるあたりに置くのです。以下のような感じです。

次も同じように読んでいきます。
// I moved here last week / and I’m
↑ここのあたりにシャーペンを置き、視点を合わせる。
/ and I’m getting used to living here.// I feel
↑ここのあたりにシャーペンを置き、視点を合わせる。
スラッシュから次のスラッシュ、もしくはフレーズから次のフレーズへと、シャーペンを素早く動かしながら、「1…、2…、1…、2…」という感じで、一定のリズムを取りながら、読んでいきます。
このやり方で、実際に英文を最後まで読んでみてください。
目だけで英文を読んでいると、たまにどこを読んでいるのかがわからなくなることがありますよね。人によっては、1行飛ばしてしまうこともあります。
シャーペンを使うことで、今どこを読んでいるのかが明確に確認できますし、リズムを取ることで、ぼーっと読んでしまったりとか、読むのに時間をかけすぎることを避けることができます。
ちなみに、声に出して読むと、発音が気になったりして、読む速度にとらわれて遅くなってしまうことがあります。更に、英文の意味を理解することに集中できないこともあるので、黙読でやるのがオススメです。
②心の中で音読をしないようにしよう!
さて、第2のポイントは、心の中で音読しないようにすることです。
ほとんどの人は、直接声に出さなくとも、心の中で単語を読んでいます。
上の英文であれば、(Thank you …very much… for your e-mail…) というような感じで、心の中で読まないと気が済まないと言いますか、ほとんどの人は、そうしてからでないと意味を理解しづらい、という風にクセがついてしまっているのです(これは日本語を読むときにも同じ傾向がみられます)。
しかし、これは読むスピードを遅くしている原因でもあります。本当に速く読みたいのなら、心の中で単語を読まないようにすることが不可欠です。
心の中で単語を読まないとはどういうことかというと、読まずに、目だけで単語をとらえて英文を理解するということです。
速読のできる人は例外なくこれをやっています。最初は慣れなくて心地悪いかもしれませんが、これができるようにならないと、一定以上の速さで英文を読めるようになることは望めません。習慣にしてしまいましょう。
「それでもどうしても読んでしまう!!」という人は、ストップウォッチを使って、読むことが事実上不可能なスピードに設定して速読してみてください。
例えば、300語を1分に設定して読み切るのです。とりあえず、中身を理解しなくてもOK.読み切ることを最優先することで、単語を音で読まず、視覚でとらえて読むことに慣れていきましょう。
③瞬時に「かたまり」を把握しよう!
第3のポイントは、英文を読むとき、瞬時にかたまりを把握できるようになることです。
当たり前ですが、実際の英文にはスラッシュは引いてありません。「ええと、どこからどこまでが、ひとつのかたまりになるのかな…」と1秒や2秒考えていたら、読むのがものすごく遅くなってしまいます。考えずに、以下のようにかたまりを把握できるようにすることが大事です。
Thank you very much for your e-mail. // I moved here last week / and I’m getting used to living here.// I feel mostly comfortable, / but I have just one problem.//
もちろん、複雑な構文を含むような長い英文であれば、2回読み返して構造分析することもあるでしょう。けれども、上記のようなやさしい英文を読むときは、見た瞬間にかたまりを判別できるようにならなくてはなりません。そうすれば、かなり速く英文を読むことができるようになります。
このプロセスを踏むことで、文法や語彙など、頭にある知識が「実用的なスキル」に変わります。知識は持っているだけじゃダメ、使えるようにならないと、特にコミュニケーションにはあまり役に立たないですよね。英語は学問ではなく、スポーツだと言われるのはそういう理由からです。
ちなみにこれができるようになると、理解スピードがぐんと上がるので、リスニング力も上がりますよ!
何回も練習しよう!
まずはやさしい英文を使って、スラッシュを引いて、上記で書いたように、シャーペンを使い、視点を動かしていく練習をしていきましょう。
読むときはもちろん、頭の中で英文を理解する必要があります。一度日本語訳をしてもOK。最終的には、日本語訳に頼らず、英文を即イメージで理解するような形で英文を読んでいきましょう。
これを何度も繰り返します。単語を心の中で読まずに、かつ「かたまり」をぱっと判別できるようになるまで、10回~20回繰り返し読みましょう。
最初はスラッシュを引きながらやるのがオススメですが、最終的にはスラッシュなしで読めるようにしていきましょう。
慣れてきたら、シャーペンを動かすスピード(つまり、視点を動かすスピード)をどんどん速くしていくのがオススメです。ストップウォッチを使って、時間制限を用いると、緊張感が出て、集中力も出るのでいいですよ。毎日、ノートに1分間で何ワード読めたかを記入しておくと、上達が目に見えるので、やる気も出ると思います。
更に慣れてきたら少し難しめの英文にチャレンジするのもOKです。
ちなみに私はもちろん、速読が必要な時は例外なくこれを行っています。慣れてくると、本当快適に読めるんです^^TOEICもこれを使って速読しているので、全部解いても、いつも10分くらい時間があまりますよ^^
あなたも頑張ってくださいね!
まとめ
・日本語の速読と同じような要領で、英語も速読してみよう
・速読には、視野を広く取ることが大事
・速読には、心の中で音読しないことが大事
・速読には、一瞬で「かたまり」を判別できることが大事
・シャーペンや鉛筆を使い、何度も繰り返し練習しよう
P.S
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