こんにちは。リズムで英語をマスターする!
なみのリズムのアサコです。
日本語に特有なのは、「おっしゃる」や「召し上がる」などの、豊富な敬語表現ですよね。一方英語には、この「おっしゃる」「召し上がる」に該当するような、目上の人に対する敬語表現はありません。
これは、日本と英語圏の文化の違いによるものです。
では、英語では全く丁寧な表現を使わないのかというと、そういうわけではありません。
英語にも、敬語に似たような表現方法が存在するんです。「敬語」というよりも、「丁寧語」といったほうが正しいかもしれません。しかも、頻繁に使われるんです!
英語の「敬語」にはさまざまな表現がありますが、その中でも過去形を用いて表現されます。
敬語や丁寧語というのは相手を配慮して使うもの。だから、過去形を自在に使いこなせるようになれば、英会話もぐっとうまくなります。
まずは、英語ではどんなときに「敬語」が使われるのかを説明していきますね。
「敬語」の使い方の差は文化の違いから生まれる
日本の場合と比較して考えてみましょう。
日本では、目上の人に敬語を使います。「目上」というのは、年齢や相手の立場が自分より上だということ。学校の先生や職場の上司、天皇陛下などにはふつう、敬語を使いますよね。
一方、英語圏では、相手の年齢や立場が上だからと言って敬語を使うということはありません。上司であっても、下の名前を呼びますよね。
このちがいが生まれるのは、日本が集団主義を基盤とした社会であること、英語圏が個人主義を基盤とした社会であることに由来します。
こうした文化の差が言語のちがいを生み出すんです。だから、英語がうまくなりたいと思ったら、文化の差を知っておくことはとっても大事なんですよ^^
両者のちがいについてもっと知りたい場合は、こちらの記事を読んでくださいね。
英語ではどんなときに「敬語」を使うのか
では、英語ではどんなときに「敬語」を使うのでしょうか。
それは、相手の状況に対して配慮をするときです。これは必ずしも、「目上の人」というわけではありません。相手が上司であろうが部下であろうが、誰が相手であってもいいわけです。
例えば、相手に「仕事を手伝ってほしい」と頼みたいとき。

「私のプロジェクトを手伝ってもらえませんか?」
“Can you~”を使うよりも、過去形の”Could you”にすることで丁寧になります。
この英文をもっと丁寧にしたいときは、”I was wondering if you could…”を使います。

「もし可能なら私のプロジェクトを手伝ってもらえないかなと思っているんですが…」
「頼みごとをしたいけれど、受けてくれるかどうかわからない、でも、もしできるなら…」とクッションを入れているわけですね。そんなときに使うひかえめな表現が”I was wondering if could…”です。
このように、英語では丁寧さを出すために、過去形を用いることが多いんです。
過去形は「時間の遠さ」だけを表すわけではない
相手に対して配慮をする、つまり、「人間関係にクッションを置く感じ」と「過去形」とをイメージとして結び付けておくと分かりやすいと思います。
過去形って、何も「今現在」のことだけに用いるわけではないんですね。
「過去」って、今私たちが生きている「現在」から時間的に「遠い」でしょう?この丁寧な表現は、「人間関係の遠さ」を表しているんです。つまり、時間にしろ、人間関係にしろ、ある種の「遠さ」を感じるときに、ネイティブスピーカーの人は過去形を使うわけです。これは、河合塾講師の小倉弘先生が英作文の本の中で言っていたことで、私はこの理屈を知ってから、過去形を使うのが得意になりました^^
では、丁寧にするための簡単な方法を2つご紹介しますね。
perhapsをつけてみよう
シチュエーションとしては、誰かに提案したいときを考えてみてください。
例えば、私は先生をしていますから、生徒さんに「~したほうがいいよ」と言うことがよくあります。「毎日単語を覚えろ」とか、「毎日長文読みなさい」とか^^;
気軽にアドバイスをしたいときはshouldが使えますが、これはちょっと強い表現でもあります。

「英語、もっと勉強した方がいいよ」
先生からこんなふうに言われたら素直に「はい」と言うかもしれませんが、親から言われたらキレるかもしれませんね^^;「そんなのわかってるよ!」って。
そこで、もっとやわらかく提案したいときには、perhapsをつけます。

「英語、もっと勉強したほうがいいんじゃないかな」
perhapsつけるだけですごく印象が変わります。一言付けたらいいだけなので、楽でしょう?
should の代わりにcouldを使ってもOKです。この場合、couldには可能性の意味が含まれます。
「(しようと思えば)英語、もっと勉強できるんじゃないかな」
canをcouldに変えてみよう
もうひとつ例を出します。
友だちと、「今度の休みはどこに遊びに行こうか」と相談しているとしますね。
このとき例えば、”We can go fishing!”とか、”Let’s go fishing!”ともちろん言うことはできます。
でも、もっと控えめに提案したいこともありますよね。
例えば、自分は釣りが好きだけれど、相手は釣りが好きかどうかわからないとします。このとき、”Let’s go fishing!”といきなり言ったら、「えっ(私釣りできないんですけど)」と思われるかもしれません。
そこで、過去形を用いるのです。

「釣りに行くこともできるよね」
couldは可能性を表します。「行こうと思ったら行くこともできるよ」と可能性を示唆することで、控えめに提案しているわけですね。
ささいな一言で、あなたの英語の印象ががらっと変わります!ぜひ使ってみてくださいね。