なみのリズムのアサコです。
「英語のテストでなかなか点が取れない…」
という悩みにお答えします。特にTOEICですね^^;
もちろん、TOEICに限りません。学校の定期テストに実力テスト、大学受験のための模試。英検など、英語学習の上でテストは欠かせないわけですが、こうしたテストで、点を取るのが得意な人とそうでない人がいます。
両者のちがいは何なのでしょう?
単に「英語ができる・できない」だけの問題なのでしょうか?
実は、それだけの問題ではないんです!
この記事では、そこを掘り下げて書いていきますね。
1. テストで点を取るために必要なのは「分析能力」!
私の生徒さん(当時高校生)で結構英語が良くできる子がいました。
英文を読んで要約するのも上手ですし、単語も熟語も一生懸命覚えているので、知識もそこそこある。英作文も結構書ける。
なのに、テストになると・・・・・・・・・・・・・。
あまり点が取れないのです。
不思議だと思いませんか?
彼女、フィーリングで問題を解いてしまうんです。理詰めで考えるのではなく、「なんとなくこれかな?」みたいな感じで答えを選ぶのですね。
なので、例えば、複数形であるべきところを単数形にしてしまうとか、指摘されたらすぐにわかるような、簡単なミスをしてしまうんです。
こうした間違いをするのが時々であれば、単に「ケアレスミス」として片づけることができますけど、いつも同じような間違いをしている場合は、そうとも言えない。
問題を解くときに、きちんと分析をしていないから間違えるんですね。
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英語のテストで点が取るのが得意な人は、概して分析能力が高いです。
もしくは、帰国子女や長期留学していた人のように、分析を必要としないほど英語力が高い。
そのどちらかです。
例えば、次のような文法問題がわかりやすいと思います。
Please drive ( ) so that you won’t have an accident.
A: careful
B: carefully
C: care
英語の実力が高い人は、何も考えなくてもcarefullyを入れることができます。経験上、それが一番自然だと感じるからです。
英語の実力がそれほどなくても、分析能力が高い人であれば、carefullyを選ぶことができます。それは、「動詞を修飾しているのだから副詞が入るはずだ」という理屈で解くことができるからです。
英語力がそこまで高くなくても、分析能力が高ければその不足を補うことができるわけです。
2. 分析能力とは、出題パターンもしくは作成者の意図を見抜く力のこと
ここで言う「分析能力」とは、言い換えると、問題の出題パターンを見抜く力のことです。もっと言い換えると、問題を作っている人の「意図」を見抜く力のこと。
これがわかってしまえば、問題を解くのが速くなるし、よくある「引っかけ問題」に引っかからないようになります。結果としていい点が取れるわけです。
テストとは「力を試す」という意味ですから、問題を作っている人には必ず目的があります。
例えば、単語テストをすることの「意図」は、単語の綴りをきちんと書けるかどうか、単語の意味を覚えているかどうかをチェックするためですよね。文法で現在完了のテストをする場合は、have+過去分詞の形を覚えているかどうか確認することが目的になったりするわけです。
TOEICや英検のようなテストだともっと複雑になりますけど、どんなテストでも同じ。どんなに難しいテストだって、同じように意図があるのです!
3. 意図さえわかれば対策が立てられる
意図がわかれば、対策が立てやすくなります。だって、何を聞かれるのかがわかりますからね。
TOEICの文法問題では、やたら長い英文が出ることが多いです。そして、文構造が複雑なものが多い。ということは、ちょっと複雑な英文でも文法を正確に分析して読めているかどうか、が問われていると考えられるわけです。
ですから、問題を解く側としても「正確に英文の構造をとらえるぞ」という意識で問題を解けば、まちがいは少なくなるはずなんです。
でも、多くの人はただ「漫然と」問題を解いているだけなんですね。何が問われているのか考えていない。フィーリングで解くわけです。
分析せずにフィーリングだけで解いて正解を出すには、相当練習を積まなければなりません。
なので、勉強しているのになかなか点が取れない、ということになってしまいがちなんです。
4. 点数が取れない人の勉強の仕方・点が取れる人の勉強の仕方
点数が取れない人は、問題を解いて間違えたとき、ただ答えを暗記します。
暗記して終わりです。
こういう人は、こう考えます。「知識がないから解けなかった。この単語もしくは熟語さえ覚えれば解けるようになる」と。
点数が取れる人は、問題を解いて間違えたとき、答えを覚えるだけでは終わらせません。答えを覚える以上にパターンを分析します。
例えば、
「品詞を選ぶ問題が弱いなぁ。特に、lyが付いた場合…。副詞に弱い気がする。副詞の使い方を調べてみよう!」とか。
「railingって『手すり』っていう意味かあ。受験英語で出てくる単語はわかるけど、日常的な英単語に弱いな。ここで一気に日常英単語を覚えようかな」とかですね。
これは、出題者の意図をちゃんと汲み取っているんです。
まさに、TOEICでは品詞を理解しているかどうか、日常出てくる英単語を知っているかどうかを試してくるわけですからね。
その場の答えを覚えるだけだと、応用がききません。次に同じパターンの問題が出たとしても、また全く別の問題のように思えてしまい、同じような間違いをしてしまいます。
TOEICの公式問題集だけを解いて短期間で高得点を出してしまうような人がいますけれど、そういう人は英語力以上に分析能力が高いのです。
5. 分析することが苦手な人はどうすればいいの?
中には、どうしても分析することが苦手な人もいると思います。訓練することはできるはずですが、苦痛に感じる人もいるかもしれません…。
そういう人はどうすればいいのでしょうか?
ここで注意が必要なのは、分析能力が高い=英語力が高いとは限らない、ということです。分析能力が高いというのは、あるテストの傾向をつかむのが上手だということ。ですから、言い換えると、テストで点を取るのに必要な学習しかしていない場合もあるわけです。その場合には、全般的な英語力は実はあまり高くないということもありえるのです。
TOEICで900点以上持っていても英語を話せない人がいるというのはそういう理由によります。
一方で、特にTOEIC対策をしていないのに、留学から帰ってきたら高得点が取れてしまったという人もいますよね。
特に分析しなくても、英語力そのものが高ければ点が取れるのです。
テストの点だけを追いかけ、テストのためだけに英語学習をしようとした場合には、分析能力がどうしても必要となります。そこに、得手・不得手が生じることはどうしても避けられません。
英語の先生でも分析能力が高くない人はいるんですよ。TOEICの問題は解けるけれど、どうやって解くのか理屈では説明できないという人ですね。こういう先生は、英語力が高いのでフィーリングで問題が解けてしまう。でも「なんで?」って聞かれても答えられない。だって、そういう風に表現するものだから…。日本語でもそうですね。「私『は』」と「私『が』」の使い分けって、理屈で説明できないです。正確な使い分けは問題なくできるんですけどね。
そこで私の提案ですが、もし分析することが苦手なら、テスト対策は思い切ってやめてしまうのも手です。代わりに、もっと実践的な英語のスキルを身に付けてはいかがでしょうか。
例えば、
・英語を使って商談をできるようにする
・洋書を読めるようにする
・英語でe-mailを書けるようにする
などなど。
上記のことができるようになれば、結果としてテストの点が上がるという可能性は十分にあります。
もちろん、テストのスコアアップを英語学習のマイルストーンにするのもいい方法です。私自身は、そういったやり方が合っていましたからね。でも、多くの生徒さんを見ていて、それが万人にとっていい方法なのかどうかは・・・わからないところがあるのです^^;
人によっては具体的なスキルを身に付ける方が近道だし、スコアを追い求めるよりも楽しく英語が勉強できるのではないか、というのが私の個人的な意見ですが、いかがでしょうか。
ちなみに、英語が伸びるか伸びないかは、反復練習をしているかどうかという問題もあります。
反復練習がなぜ大事かについては、英語の習得には「正しい感覚」を身に付けることが大事★もお読みください。
それではまた^^
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