今回は英語の月の名前の由来についてです。
英語の月の名前って、実は古代ローマの言葉や神様、皇帝の名前に由来してるんです!
遥か昔、紀元前から栄えた国の影響が、今なお言葉に残っていると思うと、なんだかロマンを感じませんか。
英語を勉強していると、どうしても単語の意味だけを暗記しがちですが、それってもったいない!
言葉の由来を知っていると、言葉に対する味わいが深くなり、愛着がわいてくるし、関連する単語の意味も覚えられますよ^^
それでは、解説いってみましょう^^
昔、1年は12か月ではなく10か月だった!
まずは英語の月の名前の一覧表をご覧ください。
月 | 英語 | 月 | 英語 |
1月 | January | 7月 | July |
2月 | February | 8月 | August |
3月 | March | 9月 | September |
4月 | April | 10月 | October |
5月 | May | 11月 | November |
6月 | June | 12月 | December |
まずはわかりやすいところから、10月からいってみましょう。
10月はOctoberですよね。この”octo”は、ラテン語で「8」という意味です。
そして、”octo”と言えば「オクトパス(octopus)」。「タコ」のことだというのは知っているでしょうか。
タコの足は8本。なので、「8」を意味する”octo”が起源になって、octopusという名前になったんです。
でも、待って。
Octoberは8月ではなくて10月ですよね?
ここらへん謎に感じると思うのですが……
実は、Octoberはもともとは8番目の月だったんです。
古代ローマの初期の時代においては、今でいう3月が1番目の月だったからです。
要は、今の3月が当時の1月だったわけです。ちょっとややこしいですかね。
当時使われていたロムルス暦では、1年間の暦は10か月しかありませんでした。でも、そののちに2か月追加されて、合計12か月になったのです。
7月と8月は、ローマ皇帝の名前にちなんでいる
なぜ2か月追加されたのか?はよくわかりませんが、
ローマ皇帝のユリウス・カエサルとアウグスティヌスが自分の名前を月の名前にしたからだ、という説もあります。


カエサルは、英語読みではジュリアス・シーザー。英語で書くと、”Julius Ceasar”です。アウグスティヌスは”Augustinus”です。
見てお分かりの通り、7月のJulyと8月のAugustは、この2人の名前にちなんで付けられているんですよ!
元々の月の名前は、8月を「8番目の月」として、Octoberと呼んでいたのと同様、ラテン語での「5番目の月(Quintilis )」と「6番目の月(Sextilis )」だったそうですが、自分の誕生日月だからということで、変更したという説もあります。
ちなみに、ローマ皇帝アウグスティヌスがローマを支配している頃に生まれたのが、イエス・キリストです。いろいろ情報がつながっていくと面白いですよね^^
9月から12月の月の名前の由来は、ラテン語にある!
さて、9月から12月の、September、October、November、Decemberは、それぞれ「7番目の月」、「8番目の月」、「9番目の月」、「10番目の月」という意味です。
(ラテン語でSeptemは「7」、Novemは「9」、Decemは「10」を意味します)
ここで、Decemberの”Dec”に着目してみましょう。
デシリットルは10mlを意味しますよね。英語で書くと”deciliter”ですが、この”dec”もこのラテン語起源の「10」から来ているのです。
更にいえば、”decade”は10年という意味。
“decimal”は「十進法の」という意味ですし、”decalogue”(デカローグ)は「モーセの十戒」を意味します。
ちなみに、”cent”は100を意味します。centuryは100年=1世紀ですし、centimeterは、1メートルを100分割した1センチのことですね。
1月から6月の月の名前の由来は、神話の神様にある!
さて、次は1月から6月にいきましょう。
7月から12月は単純に数字がメインでしたが、1月から6月はローマやギリシャの神様が登場します。
1月=January
Januaryは、ローマの門神ヤヌスが由来とされています。
ローマでは、戦いで出陣する際に通る門に、ヤヌスを祀っていたそうです。そこから、物事の始まりを表すようになったそうですよ。
ちなみに、”j”の発音は英語では「ヂ」ですが、ヨーロッパの他の言語の中には、「y」の発音に変わるものが多くあります。例えばJanは英語では「ジャン」と読みますが、他の言語では「ヤン」と読む場合もよく見られますよね。
ちなみにポーランドでは「ヤヌシュ」、ハンガリーでは「ヤーノシュ」という名前が多いですが、軍神ヤヌスにちなんでいるのでしょうか。
聖人のヨハネにちなんでいるという情報がほとんどのようですが、詳しく知っている方がいたら教えてください^^
2月=February
さて、お次は2月。
ローマの贖罪の神フェブルウスから来ています。
先代に行われた戦争の死者の弔いをするため、慰霊祭を毎年2月に行っていたことが由来しているそうです。
2月と言えば、旧暦でいう最後の月でもありますし、死者の弔いをするのに時期的にもちょうどよかったのかもしれません。
ちなみに、フェブルウスはギリシャ神話だとプルートーにあたるとのこと。プルートーと言えば、冥界を司る神様ですよね。
冥王星も、英語ではPlutoです。
冥王星も太陽系の果てですからね。まさに「冥界」という印象で名づけられたのでしょう。
そう考えると、2月は、日本語訳したら「冥界月」になるのでしょうか^^;
3月=March
3月は、古代ローマの軍神マルスが由来となっています。
先ほどもお話しした通り、昔は3月が今で言う新年であり、始まりの年でした。
冬が終わり始める時期でもあり、戦いも行いやすい時期だったのでしょう。
ところで、march「マーチ」と言えば、「行進」という意味もありますよね。「行進」と言えば、軍隊ですから、軍神のマルスともきっと関係があるのではないでしょうか。
ちなみに欧米によくあるMarkという名前。これは、軍神マルスに由来しているという説もあるそうですよ。
4月=April
Aprilは、ギリシャ神話の女神の1人、アフロディテ(Aphrodite)から名づけられました。
アフロディテは、英語読みすると「ヴィーナス」。そう、有名な美の女神です。4月と言えば、草木が芽吹く、とても美しい時期ですよね。
ヨーロッパではキリストの復活祭(イースター)が祝われる時期でもあり、長い冬が終わりをつげ、ようやく緑が茂り始めます。
そんな時期に「ビーナス」という名前がつけられているのは、なかなか素敵ではないでしょうか。
5月=May
これもギリシャ神話の女神の1人、マイアから名づけられました。
マイアは、全能の神ゼウスと結婚した女神で、豊穣の象徴とされています。
5月は芽吹いた草木に、様々な実が付き始める頃。まさにぴったりですね。
ちなみに、ギリシャ神話に基づいて「マイア」と名づけられた星があります。プレアデス星団の中に属する星で、その中でも一番明るい星のひとつだそうです(プレアデス星団は、日本語では「すばる」ですね)。
豊穣の神であり、空で最も明るく輝く星。
「マイア」という名前もときどき見かけますが、こんな由来を知っていると、とっても素敵な名前だなって思いますよね^^
6月=June
これは結婚生活を守護する、最高位の女神であるユノが由来しているそうです。
ギリシャ神話だと、ユノはヘラのこと。
ギリシャ神話で最も力を持つ全能の神様と言えば、先ほども述べたゼウスですが、そのゼウスの正妻がヘラなのです。
全能の神様の正妻ですから、ユノは最高位の女神だというのも納得できますね。
そのユノの結婚のご加護があるのが、6月だというわけです。
だから、結婚と言えば「ジューン・ブライド」なわけですね。
6月に結婚するという慣習は、もともとはローマから来ていたのだと思うと、びっくりですね!
さて、いかがでしたか?
こうしてみてみると、私たちの習慣や欧米の人の名前は、昔からの起源に基づいていることに改めて気づかされますね!
文化や歴史がわかってくると、英語学習がもっとより深いものになっていきます。
日本語でも同じ。例えば、「太刀打ちできない」とか「しのぎを削る」といった言葉。これは、もともと刀から来ているわけです。侍の気持ちになればこそ、この言葉の使われ方の実感がわきますし、日本の歴史を感じますよね。
英語でも同じように、言葉の起源を通して学んでみてはいかがでしょうか?
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