なみのリズムのアサコです^^
今日も英語のリスニングのコツについてお伝えしていきます!
今日は連続記事の第1回目です。
英会話をマスターするには、海外ドラマや映画などで学習するのが一番。実際、こうした素材を使った勉強法がいろんなところで解説されていますよね。しかし、実際にやってみると、英語があまりにも聞き取れない。結局挫折してしまったという人も多いのではないでしょうか?何を隠そう、私もその1人でした^^;
英検などの教材の英語は明瞭で聞き取りやすいですよね。TOEICはナチュラルスピードに近くて手ごわい感じがします。それでも、映画の英語と比べればずっと聞きやすいほうです。
英語を何年も勉強してきたのに、実際の英会話になると全くわからない。面食らってしまう。それは、教材英語と生の英語とで、話し方にあまりにも差があるからです。
ドラマや映画は、聞き取ることさえできれば最強の英語学習法であることにまちがいないのですが、聞き取れないと大きなストレスとなり、学習がなかなか進まず、イヤになってしまいます。
挫折しないためには、映画だとなぜ聞き取りにくいのか、その理由を押さえておくことが重要です。
そこで、この記事では、聞き取りの障害となる発音変化について説明します。
1.音が省略されるとわからなくなる!
ひとつには、映画やドラマでは発音がかなり省略されてしまうということがあげられます。いわゆる「省エネ発音」というやつです。
これがわからないので、聞き取れないのです。
といっても難しく考えないでください。日本語にも省エネ発音はあります。たとえば、「いいですか?」を雑に言う場合、「いいっすか?」となりますよね。
「いいですか」の「で」が省略されているわけですが、「で」と言うとき、舌を前歯の上につけなければいけません。この発音が面倒なんです。
「いいですか?」と言うよりも、「いいっすか?」と言うほうが楽に発音できます。だから、「いいっすか?」と言いたくなるわけですね。
英語でもこれと全く同じようなことが起きているだけなんです(ただし、日本語よりもかなり頻繁に起きる、というのが厄介ですが、、、)。
例を挙げますね。
I’m a grade-A student!
口語(アメリカ発音)ではよく、studentのdが省略されて(もしくは次のnに統合されると考えてOK)「スチュヌン」と発音されます。
これ、さっきの日本語の「いいですか?」が「いいっすか?」になったのと同じようなものです。「で(de)」の発音が面倒なのと同じように、studentもdをきちんと発音しようとすると面倒なので、取れてしまっただけなのです。
もうひとつ例を挙げます。
They’ve eaten them.

口語では、代名詞themのthはたいてい省略され、この英文は「ゼィヴィートゥナム」という発音になります。
thがなぜ省略されるのかというと、やはり発音が面倒だからです^^;
英語のthは、難関な発音のひとつとされます。練習したことのある人ならわかると思いますが、舌先を前歯に当てて、摩擦させることで出す発音ですよね。ほんっとう、面倒じゃあないですか(笑)。しなくてすむなら、発音したくないわけです。
2.単語のスペルと実際の発音がちがう!
また、表記される文字と実際の発音がちがう例というのもあります。
たとえば、「ありがとう」の「う」は文字通り「う」とは発音していませんよね。「ありがとお」と言います。これも「ありがと『う』」と発音するより、「お」と発音したほうが楽だからだと考えられます。
英語でも同じことが起きています。例を挙げると、
Give him a chance!

上の英文のchanceは、「チャンス」ではなく、度々「チャンツ」に近い発音になります。これは、Nの発音からSの発音に移行する際、舌先を前歯の上から離すからです。この動きが早くなると「ツ」になってしまうんですね(実際に発音してみてください)。
(chanceが「チャンス」でなく「チャンツ」に聞こえると言われても納得がいかない、という人がいるとしたら、それはNの発音がきちんとできていないことが原因です。Nは実際、「ん」ではなく、「ヌ」に近い発音です。
「ほんと?」と「本(ほん)」。この2つを発音してみてください。この2つの「ん」の発音は、実は異なる発音です。英語のNの発音は前者です。しかし、日本語では両者に表記の差がないので、混同してしまうんです。)
英語の発音変化というのは、表面的なパターンだけを見るといろいろあってなんだかややこしいですが、結局のところ、楽だから、自然とそのような発音になっているだけなんです。
この楽さを体感できることが、発音変化や省エネ発音になれるための大事なステップです。
3.発音がきちんとできていないと、こうした変化の「楽さ」がわからない!
以前の私は、教材英語と生英語の発音の差がどうして生じるかがわからなかったので、リスニングの勉強にとってもストレスを抱えていました。
たとえば、feelが「フィール」じゃなくて「フィアウ」と聞こえる。何回も音声をリピートして、どうやら「フィアゥ」と聞こえるというところまではわかっても、どうしてそのような発音になるのかがわからない。そうすると、学習がそこで止まってしまうんです。
今ならわかるんです。さっきの例と一緒で、「フィール」じゃなくて「フィアウ」と発音したほうがかなり楽だってことが。
Eは口を思い切り横にひっぱって発音します。これも結構面倒な発音ですよね。そこからそのままLの発音に移行させようと思うと、結構疲れるんです。そこで、いったん口を緩める。そうすると結果、「ア」のような発音が間に入ってくるわけです(あいまい母音)。
この発音の楽さは、英語をきちんと発音していなければ実感できません。日本語でカタカナとして「フィール」と言う分にはちっとも難しくないからです。
英語式に、きちんと息を入れてfを発音して、その上で口を横に引っ張ってeeを発音して、そして舌を前歯の上のほうにつけて、、、なんてやってたら、英語の発音って本当面倒だ!!ってことが体感できるので、楽なほうの発音方法がすんなりと受け入れられるようになります。
リスニングを教えていると、このような発音変化をすんなり受け入れられる人と、受け入れられない人との2通りに分かれます(中には拒絶する人すらいます。。。)。受け入れられない人というのは、これまでバリバリ日本語発音でやり過ごしてきてしまった人なんです。
もう一度言いますが、発音変化がわからない、もしくは理屈としては理解できなくても体が受け入れられない。そういう人は、英語の発音を体にきちんと落としこめていない人だと言えます(かつての私^^;)。
4.英語を聞きまくるだけじゃなくて、発音と音読練習に力を入れよう!
もちろん中には、バリバリ日本語発音でも、リスニングが難なくできちゃう器用な人もいます。
でも私からすれば、そういう人は一種才能のある人で、音楽でたとえれば、楽譜を見なくても音階がわかっちゃうとか、そういう人に近いです。才能ある人は曲を聞けば耳コピーできちゃいますが、凡人は楽譜を見ないと曲は弾けません。
曲を参考に聞きながらも、楽譜を読みこんで分析するように、英語でも、聞くばかりで終わらせるのではなくて、スクリプトと照らし合わせながら、音がどう変化しているのかを分析する。そして、音読で発音練習をしていくことで発音変化を体感、体にすりこませる。発音変化を体で納得する。そんなプロセスで練習をすることでうまくいくことが多いです。
発音変化のパターンを知った上で、リズムを意識した音読練習をぜひ行ってくださいね。そうすることで、映画の英語もわかるようになります!
次回の記事では、会話スピードに関しての話をします。
それではまた^^
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