なみのリズムのアサコです。
「英語が話せるようになりたい」と思って英会話スクールに行く人って多いのかもしれません。
でも、英会話スクールに行くよりも効果的な方法があるってご存知ですか?
それは、パターン・プラクティスの練習をすることです。
今日は英語を話す練習として有効な、パターン・プラクティスのやり方を説明していきます!
1. パターンプラクティスとは何か
パターンプラクティスというのは、簡単に言うと文型練習のことを言います。文法を身に付けるための練習ですね。
みなさんは、中学の授業でこんな練習をしたことはないでしょうか。
先生 ”What is this?” (バッグを指さして)
生徒 ”It is a bag.”
先生 ”What is that?” (本を指さして)
生徒 ”It is a book.”
これが一番オーソドックスなパターンプラクティスの例です。
“What is…?”の文に対して、”It is….”で答える。”It is…”のうしろにいろんな名詞を入れて練習することで、この型を覚えることが目的です。
実はこうした練習は、学校でさんざんやっていますよね。学生時代、問題集で”This book is….”、 ”This pen is….”なんて書いて文法練習をしませんでしたか。
これもある意味パターンプラクティスと言えますが、本来のパターンプラクティスは、書いて覚えることではありません。口で言えるようにすることが目的です。
書く練習は遅いので、会話の練習にはならないんですよね^^;
口で言う方がスピードが速いので、難しいんです。そういう意味でも、パターンプラクティスはいいトレーニングになるんです!
2. パターンプラクティスのメリットとデメリット
パターンプラクティスのメリットですが、文法を身に付けるために有効です。
例えば以下のように、代名詞を変えてみたり、動詞や名詞を変えることで自分自身で文章を作る能力が身に付くからです。
I play the piano.
He plays the piano.
She plays the piano.
She plays the guitar.
She practices the guitar.
また、さっきも言った通り、書くのではなく口で言うので、すばやく英文をつくるためのいいトレーニングになります。
でも問題なのは、こうした練習は機械的で面白くないということなんですね…!
機械的だと頭に入りませんし、飽きやすいです。これがデメリットになりうる、ということは言えます。そういった理由で、一時は敬遠されたこともあったようです。
でも、パターンプラクティスの本質はそこにあるのではありません。ちょっとやり方を変えて有効に使えば、英文をどんどん吸収していける、すぐれた学習法になるんです。
そこで、本記事では「効果的なパターン・プラクティスの方法」についてお伝えしていきます。
その前に、避けるべきパターンプラクティスについてお伝えしておきましょう。
3. こういうパターンプラクティスはやらないほうがいい
①文脈をイメージできないパターンプラクティスは避けましょう。
例えば、以下のような練習です。
She has a camera.
She has a computer.
She has a….
先にも言ったように、こういう機械的な練習だと、音読練習にはなりますが、文が頭に残りにくいです。
②日常絶対に使わないような英文は練習しないようにしましょう。
例えば、以下のような英文です。
She has four legs.
If I were a bird, I would fly to you.
日常言わないのですから、練習しても仕方がありません。
③長たらしい日本語文を英語にする練習はしないようにしましょう。
短い日本語文を英語にするならまあOKなのですが、次のような長い日本語を英語に直す、という練習をすると負荷がかかり、練習そのものが大変になります。
「私が朝起きたときには、妹はもうすでに出かけてしまっていた」
→When I ….????
よっぽど慣れていないと、「ここは過去形?」「どこで過去完了使うんだっけ?」「どの節から英語にすればいいんだっけ?」と頭が混乱してしまいます。
4. 効果的なパターンプラクティスのやり方
機械的に英作文をする練習では頭に残らないし、面白くない。なので、挫折しやすいということをお伝えしました。
であれば、機械的ではなく、自分にとって関心の持てる英文を作る練習をすることがカギになります。ここでは、そうした方法を紹介していきます。
①自分自身と関係のある場面を用意した上でパターンプラクティスをしましょう。
例えば、自分の家族の写真を使ってこんな風に練習することができます。
This is Ken, my nephew.
This is Maki, my daughter.
This is Risa, my mother.

外国人に実際に家族の写真を見せていて、説明している気分で練習をします。
これなら頭に入りますね。リアルに存在している人たちですから。
また、自分の好きなものを実際にリストアップしていくつもりで練習するのもいいでしょう。
I like animals.
I like cats.
I like shopping.
I like swimming.
②ついつい感情が込もってしまう英文を選んでパターンプラクティスをしましょう。
感情というのはパワフルなので、記憶と結びつきやすいです。
例えば、すごく悲しかったことや怒ったこと、つらかったことなどはよく覚えているものですよね。「アイツに言われたこの上なくヒドイ言葉」なんて、いつまで経っても覚えてたりするものです^^;ですから、この特性を生かした練習をするといいのです。
例えば、次のような感じです。
泣きたい気分のとき
That’s why she is so angry with me! (What should I do?)
That’s why he left me.
怒りたい気分のとき
Why didn’t he show up on time?
Why didn’t he say that then?
悩んでいるとき
I wonder if he will say yes.
I wonder if he will come to the party.
最近自分に起こったことと関連させ、実際に感情を込めて英文を言うようにしましょう。このようにして練習した英文は忘れませんよ!^^!
③写真・イラストなどを使って練習しましょう。
自分自身と関係のある場面でなくとも、写真やイラストを使って練習するのはオススメです。というのも、頭にイメージが残りやすいからです。
教材は、英検の二次試験やTOEICテストのリスニング問題を活用するといいでしょう。英検の二次試験では、イラストを見て英文を言う問題があります。また、TOEICのリスニング問題のPart1には写真描写問題がありますよね。
これらを使って以下のような単純な文を作るパターン練習ができます。
※何があるかを描写してみる (There is/There are…を使う)
There is a big tree behind them.
There are some people on the street.

※人が行っている行動を描写してみる (He/she is doing…を使う)
The man is waving his hand.
The woman is taking a picture.
The girl is talking on the phone.
初心者のうちは、こうした練習が一番単純で取り組みやすいかもしれません。
④最初は短いフレーズを練習しましょう。
最初から長い英文を言う練習すると、挫折してしまいがちです。
まずは3語~5語で言える短い文を言う練習をしていきましょう。短いフレーズが簡単に言えるようになってから徐々に長い文を練習していくのがオススメです。
例えば、
go shopping
go swimming
go fishing
go drinking
まずはこれだけを「ぱっ」と言えるようにする練習をするのもとっても効果的なんです。
短いフレーズをストックすればするほど、いろんな英文を作れるようになるからです。
慣れてきたら、例えば、これに”I” を加え、文を過去形にしてみます。
I went shopping.
I went swimming.
I went fishing.
I went drinking.
と言えるようにするのです。
次は、実際に自分がしたことを思い浮かべて、もう少し情報を付け加えて練習をしてみましょう。
例えば、買い物に実際に行ったのなら、go shoppingを使って次のように文を言う練習をします。
I went shopping with my mother.
I went shopping with my mother yesterday.
I went shopping with my mother yesterday and bought some spring clothes.
このとき、実際に友達に語りかけているつもりで練習するともっと効果的です。
長い日本語文を英語に直していくより、小さな単位でフレーズをどんどん覚え、フレーズをひとつひとつ付け足していく感覚で、英文が作れるようになるといいのです。
そうすると、英語を言うのがすごく楽になりますよ!
5. パターン・プラクティスに使える教材
次に、パターン・プラクティスに使える教材をここではお伝えしますね。
この本自体は文法の問題集であって、パターンプラクティスの練習本ではありません。ですが、日常使えるフレーズがたくさん載っていて、文を作る練習がたくさんできるようになっています。それも、どんな場面で使うのか、イラストを使って豊富に説明してあるので、文法への理解が深まりますよ(ただし、説明はすべて英語です)。
口で言う練習としてこの教本を使えば、パターン・プラクティス用として十分活用することができます。まずはこの本を使って、日常よく使う短いフレーズをモノにしてしまうといいでしょう。
この本のいいところは、まさにパターンプラクティスにありがちな機械的な練習を排除しているというところ。「誰に言うか」という項目があるので、場面をしっかり意識した上で覚えることができます。また、ネイティブがよく使う表現を厳選しているので、不自然な英文は載っていません。その意味で、安心して使うことができます。
パターンプラクティスをめいっぱい練習することができる、「これぞ王道!」という感じの本です。アメリカ人が執筆した本なので、使っている表現も信頼できます。また、イラストがついているので、それを見ながら文型練習ができるのも魅力的です。日本語ではなく、イメージから即英語に直す練習ができますからね。
ただ難点としては、量が多すぎること。そしてきちんとやろうとすると、時間がかかりすぎてしまうことです。また、漫然とやると機械的な練習になってしまいがちなので注意しましょう。
本自体はいいものなんですけど、普通にやったら挫折間違いなしなので^^;、全てやろうとしない方がいいでしょう。自分にとって必要なポイントだけピックアップして練習するなど、学習の仕方をアレンジしながら独習できる人にはオススメできる本です。
6. パターンプラクティスを始めるにあたっての注意点
さて、最後にパターン・プラクティスの練習を始めるにあたって注意点です。
英語を話すという練習は応用練習であるということを認識しておいてください。なんにでも当てはまることですが、基本をすっ飛ばして応用練習に入ると、ガタガタになるものです。
正しく英語を発音でき、リスニングができ、文法が理解できて、初めて英語を話すことができるのです。
正しく発音できない状態で自己流で練習しても、いざというときに相手に自分の英語が通じないということになりかねません。
話す練習をいくらしても、相手の英語が理解できなければ、会話は成り立ちません。
また、文法を理解していない状態でパターン・プラクティスに取り組んでも、なかなか覚えられないということになりがちです。
「早く英語を話せるようになりたい!」と気持ちはあせるものですが、急がば回れ。
発音・リズム、リスニング、文法の理解ができていない人は、まずそちらの練習から始めるようにしてくださいね^^
パターン・プラクティスができるようになるまでにやっておくべきことについては、以下のオーディオセミナーで詳しく説明しています。今の自分のレベルに合っていない勉強をしてしまうと、とっても非効率なんですよー!
英語の勉強時間を短縮したい人は、以下のセミナーを試聴してみてください。
※セミナーの試聴には、ユーザー登録が必要です。
●発音・リズムについての記事はこちら
●リスニング学習の全体像はこちら
●文法理解のコツについての記事はこちら
コメント