日本語と英語の語順ってまったくちがうから、英文法って難しい!
おかげで文法問題や英作文が苦手…なんて人も多いと思います。
もしくは、語順で引っかかって、英語がなかなかうまく話せない…ということもよくありますよね。
そのひとつの原因には、英語の語順が十分に身に付いていないことにあります。
では、どうしたら、英語の語順を体得できるのでしょう?
その答えは………
音読のトレーニング(スラッシュ(フレーズ)リーディング)をしっかりすることにあるのですが、、、
それだけじゃありません!!
英語の語順のルールを知っておいた上で、音読にしっかり取り組むこと。
これが、とっても効果的なんです。
語順のルールと言っても、「最初に主語が来て次に動詞で…」というような説明はここではしません^^;
文法用語を使っての説明はわかりにくかったり、苦手な人もいると思うんです。
ですので、この記事では、もーっと根本的で、フィーリングで語順をつかむための知識を紹介していきます。
住所の書き方からわかる!英語と日本語の語順の差
英語と日本語の語順の差。
これが端的に表れているのって、住所の表記の仕方なんですね。
今時、なんでもメールで用を済ませるようになっているので、海外に手紙を書く機会ってなかなかないかもしれませんが…
この住所の書き方の差が理解できると、英語の語順についての理解が深まります!
では、早速下を見て、英語と日本語の住所の表記の差を考えてみてください。
英語: 1234-5, Minami, Koto-ku, Tokyo, JAPAN
日本語:日本 東京都江東区南1234-5
(架空の住所です)

英語だと番地から始まっています。自分がいるところ、つまり中心から始まっていますね。そこから、地名、市(区)、県…と、徐々に周辺に広がっていっています。
一方日本語だと、情報が周辺から始まっています。自分が所属している一番大きな単位=日本から始まり、最後に自分がいるところ=中心がきています。
下に、イラストでこのイメージを示しておきますね。アメーバではなく日本地図だと思って下さい。

英語→中心から始まる 日本語→周辺から始まる
「英語は中心から始まる。」
これがすっごい大事です。この発想のちがいを頭に入れておいてください。
英語は中心から始まる→個人主義だから?
ちなみに推測ですが、この差が生まれるのは、日本が元々集団主義の社会で、英語圏が個人主義の社会だというのが、ひとつの原因になっていると思います。
個人主義と集団主義について考えたことをはこちらにも書きました。
考え方や価値観って、言葉にも表れるんです。文化と言語は密接に結びついていますからね。
日本は集団主義で、個人よりも集団が上位にある。だから、所属国である日本から住所が始まっている。
英語は個人主義だから、自分がいるところ、つまり番地から情報が始まっている。
こう考えると、なんだか納得できませんか?
これはビジネスでの名刺を見てもわかります。
日本では「会社→肩書→名前」という順番ですが、英語圏では、最初に名前、次に肩書、そして会社名ですよね。
「中心から周辺」のルールを語順に当てはめてみよう
では次に、この「中心から周辺」という枠組みを英語の語順に当てはめて考えてみましょう。
「中心」というのは、イコール、「一番目につきやすい情報」のことだと考えてみてください。
先ほどの例で言えば、日本全体のことよりも、自分に関することの方が意識を向けやすいですよね。
長ったらしい説明よりも、端的な説明の方が目に留まりやすいですね。
また「賛成」「反対」といったような主張は記憶に残りやすいです。その細かい理由はよく忘れますが。
「悲しい」「うれしい」と言った感情表現も心に残りやすいです。
文単位で言いますと、「誰がどうした」「何がどうなった」というような主語と述語の部分が目立ちます。

では、中心となる情報の具体例を見てみましょう。
中心となる情報
「誰が何した」
→「私はご飯を食べた」
→「彼は試験に受かった」
「何がどうだ」
→「これが大事だ」
→「これは面白い!」
さて、英語では中心情報を述べたら、そこから周辺情報に移っていきます。
周辺情報というのは、中心情報をより詳しく説明する具体的な情報のことです。
例えば、「どんなふうに、どこで、いつ、なぜ」、、、、などが周辺情報になります。
では、今あげた中心情報に、周辺情報をくっつけてみましょう。
中心情報+周辺情報
中心情報 周辺情報
「私はご飯を食べた」 +「急いで」「今日の朝」「寝坊したので」
I ate my breakfast quickly this morning because I got up late.
「大事だ」+ 「働くことは」「一生懸命」「毎日」
It’s important to work hard every day.
「私には友だちがいる」+「アメリカに住んでいて」「旅行代理店に勤めている」
I have a friend who lives in America and works for a travel agency.
「うれしい」+ 「彼に会えて」「もう一度」
I’m happy to see him again.
いかがでしょうか。
中心情報と周辺情報の区別は、なんとなくついたでしょうか?
まずは中心情報を言う。そして、周辺情報をくっつける。
この感覚を持っておいてください。
話の進め方も、「中心から周辺」で!!

英語では先に結論が来ますよね。この結論を中心情報だと考えてください。
まず、主張をするわけです。そして理由や具体例など、周辺情報を続けていきます。
一方日本語は、起承転結。最初に周辺情報から入って、最後に結論が持って来ることが多いです。
これについても、英語は「中心→周辺」、日本語は「周辺→中心」という流れを感じることができますね。
日本語を話す私たちは、周辺情報から入る習慣がついてしまっています。ほぼ無意識にやってしまいます。
ですから、英語を使うときには、この回路を切り替えることがとっても大切!!
英語の語順や話の進め方に慣れるためには、まず中心情報から始める癖をつけるようにしましょう。
英語の語順を時系列でとらえてみよう
さて、この「中心から周辺へ」という流れは、時間の流れでとらえることもできます。
Iのような主語を「中心」=「時間の起点」ととらえてみてください。そして、主語の動きが向かっていく先を、時間の流れに従って、とらえていくのです。
簡単な例で言えば、I came into the room.
日本語だと「私は部屋に入った」となり、「部屋」という言葉が先に来ますよね。
ここが、英語の語順と違うところで、中学校1年生のような初期の英語学習者は、この日本語と英語との差に混乱することも多いはずです。
でも、この英文を、下のイラストのように映像で思い浮かべてみてください。

こうとらえると、わかりやすくはないでしょうか。
つまり、英語は、物事の動きの流れにしたがって言葉を並べていると考えてみるといいのです。
では、練習いきますよー!
次の英文も、同じように時系列で映像を思い浮かべながら意味をとらえてみてください。
1.The raccoon dog turned himself into a Shigaraki ware.
2.He grew up to be a scientist.
3.Cows provide milk for us.
4.I painted the wall white.
答えはこちら↓↓↓↓↓↓↓

①The raccoon dog turned himself ②into a Shigaraki ware.
タヌキがくるっと回って(変身して)→信楽焼きになった
①He grew up ②to be a scientist.
成長した→科学者になった
①Cows provide milk ②for us.
牛が乳を出す→牛乳が私たちのもとへ
①I painted ②the wall white.
ペンキ塗って→壁が白くなった
こう考えると、英語の語順って意外とわかりやすくはないでしょうか?
もちろん、英文全てにおいて、物事の動きの流れにしたがって言葉が並んでいるというわけではありません。
言語というのは、複雑ですからね^^;でも、このルールでかなりのところ、英語の語順を理解することができます。
語法や熟語を日本語訳で丸暗記した人も多いでしょうが、日本語訳をいちいち覚えるより、映像でとらえる方が理解が速いですよ!
語順が理解できたら、あとは練習あるのみ!!
さて、このルールを知ったら、あとは練習あるのみです。
ひたすら音読で、スラッシュ・リーディングを行っていきましょう。
その中で英文を観察し、この記事で説明した「中心から周辺」、そして「時系列」という語順の流れを感じ取ってください。
そして、その語順を身に染み込ませていきましょう。
細かいルールは、後から覚えていけばいいのです。
理想的なのは、理屈よりも「口が覚えている」という状態にすること。
そして、「このフレーズの後には、この情報が来る」ということを感覚でつかめるようになったら完璧です。

英語の語順をさらにつかむために、5文型の意味をぜひ知っておきましょう。
音読の仕方の記事についてはこちらからどうぞ!
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